製品紹介NetSPD®

クラウドで医療材料物流を
最適化

医療現場で使用される医療材料は、病院および医療材料販売会社において在庫管理や事務作業に膨大な労力を必要としていた。大陽日酸システムソリューション(以下、TNSS)では、これまで人手に頼っていたこれらの管理・事務作業を省力化する物流ソリューションとして、SaaS/クラウド方式(※1)を使った医療材料SPD管理システム NetSPDを開発、医療材料の物流業務に革命を起こしている。

※1 SaaS/クラウド方式

SaaS (Software as a Service):

インターネット経由のソフトウェアパッケージの提供。サービス提供者側のコンピュータでソフトウェアを起動させ、ユーザーがネットワークを通してソフトウェア機能をサービスとして利用します。

クラウドコンピューティング(cloud computing):

従来のコンピュータ利用は、ユーザーがコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを保有・管理していたのに対し、クラウドコンピューティングではインターネット経由でサービスを受け、利用料金を払います。企業、個人などのユーザーはインフラやソフトウェアを持たなくても、必要な時にネットワーク経由でコンピュータ処理をサービスとして利用できます。

Q1. NetSPDが生まれた背景は何ですか?

産業ガス機材の物流管理システムを応用

産業ガス業界のトップメーカー大陽日酸グループは、多品種に及ぶ産業用ガスを適材適所に迅速に供給する物流ノウハウを蓄積しており、TNSSではそれらのIT化をサポートしてきました。産業用ガス分野では、ガスや関連機器の在庫管理や物流をITで管理するERPシステム(※2) Yo-King(ヨーキング)を提供しています。Yo-King はSaaSを活用したシステムで、インターネットの接続環境があれば容易に導入でき、対象製品の製造・販売管理や事務作業の手間を大幅に軽減します。NetSPDは、この考え方を医療用酸素などで関連があった医療業界に応用して構築されたシステムです。

医療材料は、多品種少量が特徴です。カテーテルや注射針は、太さや長さなど、同じ品目でも多くの種類を用意しなければならず、大学病院ともなれば、1万点もの品目を常備しなければなりません。従って、これらの製品を過不足なく確保・供給することは、病院および医療材料販売会社の大きな課題となっていました。
例えば、販売会社では、多品種商品の販売管理が煩雑で、誤納品や納品数量違いのリスクも抱えていました。病院では、在庫管理に手間がかかり、保管場所の確保にも苦労しています。さらに、医療材料には滅菌期限が設定されているものもあり、品質管理には多大な労力を必要とします。

Yo-Kingの物流フレームワークを使って、これらの課題解決を目指して開発されたのがNetSPDです。

※2 ERPシステム

ERP(Enterprise Resources Planning)は、経営に必要なリソースを一元化して管理し、リアルタイムで最適な経営判断に役立てる考え方で、これを具現化するためのITを使ったシステムです。生産、購買、在庫、会計など、部門間でシームレスなデータ連携を実現し、業務データを一元化して管理し、経営の効率化を図るものです。

Q2. NetSPDの特長は何ですか?

Saas/クラウド型管理システム

NetSPDの特長は、インターネットの利便性を最大限に活用したSaaS/クラウド型の医療器材SPD管理システムであることです。SPDとは「Supply(供給)、Processing(加工)、Distribution(分配)」の略で、病院で使用される医療材料などの物品の管理・最適化をめざす考え方です。NetSPDでは、仕入れ先から販売会社、医療機関までをクラウドを活用しシームレスにつなぎます。物流データを一元管理することで、リアルタイムに医療現場のニーズを把握し、医療材料を的確に病院内の各部署に供給します。病院、販売会社の物流に関する様々な課題が解決され、物流の最適化が実現できます。

また、クラウドを利用しているため、病院、販売会社とも、サーバやソフトウェアの設備投資が不要で、導入の初期費用を抑えることが可能になりました。料金は使用量に応じた課金なので、運用にかかるラニングコスト軽減というメリットもあります。これまで、規模が小さくシステム導入が困難であった小規模医療機関、クリニック等でも導入が可能で、ITのメリットを幅広いユーザーに提供することができます。

  • VMI : Vendor Managed Inventoryの略で、納入業者在庫管理方式。病院・販売会社の在庫・使用情報を共有し、必要に応じて商品を供給します。オプション機能となっています。

Q3. NetSPDの導入効果はどのようなことでしょうか?

安全性向上と経営改善に貢献

これまで病院では、各部門で一定期間ごとに在庫を確認し、不足しているものは物品請求書を起こして供給部門に提出し、販売会社に発注。販売会社では、それを自社のシステムに手作業で入力し、受注伝票を起こして納品カードを印刷して商品と一緒に納品するという、極めて煩雑な手続きが必要でした。
NetSPDは、仕入れ先から販売会社を経由して病院に納品される一連の物の流れを一つのデータベースで管理し、病院の在庫状況はインターネット経由で、販売会社と病院がいつでも見ることができるようになります。 これによって、すべての物品は商品管理シールで管理され、病院で在庫品の使用時に、ハンディ端末でバーコードを読み取ると、使用情報がリアルタイムで販売会社に送信され、従来のようにキーボードで入力する必要もなく、迅速な補充が可能となります。

このような省力化や物流の効率化は、病院・販売会社双方の経営効率化に役立ちます。病院では、不足品をリアルタイムで補充できるので、不良在庫・過剰在庫を解消し、在庫量の削減が実現できます。例えば、使用期限切れによる廃棄ロスを減らし、患者別使用情報管理や保険請求漏れの防止などです。販売会社では、社内のデータ事務の削減、入力の工数を大幅に省力化できるほか、誤納品防止や法令改正で定められたトレーサビリティにも対応するなど、安全面や経営の改善に大いに貢献します。

すべての医療製品には商品管理シールが貼られ、病院で在庫品の使用時に、ハンディ端末でバーコードを読み取ると、使用情報がリアルタイムで販売会社に送信され迅速な補充が可能となります。

COLUMN

お客さまの声 ── 選ばれる理由

NetSPD」をはじめとするTNSSのシステムソリューションをご利用いただく大陽日酸グループ企業で、医療用ガス・医療機器販売会社、日本メガケア株式会社のご担当者様に、TNSSの業務ついて率直な感想を伺いました。

日本メガケア株式会社

営業本部川越支店 医材管理課
荻野 直樹 様

親身な対応が、いいシステム作りに貢献しています

  • Q1.TNSSについて、どのような印象をお持ちでしょうか?

    とにかく対応が親身で、話をよく聞いていただけるのが何よりも有り難いです。業務要件のヒアリングが丁寧ですし、こちらの要望を反映したカスタマイズにも柔軟に対応いただいており、日常業務と親和性の高いシステムを提供されています。結果としても、当初目標とした業務効率の改善効果が得られ、弊社の収益力向上に貢献できています。

  • Q2.では、TNSSについて、お気づきになる点はいかがでしょうか?

    国内最大の産業ガスメーカー(国内シェア40%)の大陽日酸株式会社の情報システム全般を担う企業として、質の高い業務をされています。但し、弊社は社員数約200名、売上高100億円程度の中堅企業です。大手企業と同水準のサービスの提供が、時として過多に感じることがあります。弊社も、質の良い業務を行うよう日々努めていますが、事業規模に合わせて、少し肩の力を抜いたサービスがあっても良いのではと思います。

お問い合わせ先

大陽日酸システムソリューション株式会社 NetSPD担当

TEL 03-5788-8638

NetSPD紹介ページ

こちらもご参照下さい。https://netspd.net/

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