システムソリューションクラウド型情報基盤

大陽日酸グループ8,000人の業務を
効率化する情報基盤「Osti」

「Osti(オスティ)」は2019年4月に運用がスタートした、大陽日酸グループ約8,000人が日々利用するグループ内情報基盤だ。業務に必要なサービスや機能をひとつにまとめ、効率よく仕事を進められるよう設計されている。

Q1. Ostiが開発された背景は何ですか?

グローバル対応のシステムに

旧情報基盤はIBM社のNotesをベースとしていました。Notesはシステム開発の自由度が大きく、ユーザーの要望に合わせてカスタマイズできるという利点がある反面、技術が属人的になりがちで、情報・データのサイロ化(※1)が問題となっていました。また、開発基盤が古く、Notesの技術をわかる人も少なくなり、将来の拡張性が見込めないことに加え、サポート期限切れが迫っていました。こうしたことから、次期情報基盤の開発がスタートしました。

開発にあたっては、特にNotesで実現できなかった機能の充実に注力しました。たとえば、Notesはスマホやタブレットなどモバイル端末に対応できなかったため、モバイル端末からも利用できるシステムにして、全社での業務生産性を向上させることは必須条件でした。また、大陽日酸グループは、米国、アジア、オセアニア、ヨーロッパなど、世界29か国の拠点で事業を展開していますが、Notesはマルチ言語に対応していないため、グローバルコミュニケーションに支障をきたすという問題があり、マルチ言語化できる情報基盤の構築は急務とされていました。

新しい情報基盤の開発は2017年にスタートし、約2年の歳月が費やされました。完成したシステムはOsti(オスティ)と命名され、2019年4月、Notesからの切り替えが完了し、運用を開始しています。

※1 サイロ化

業務プロセスが孤立して、情報やデータが共有されず、イノベーションの障害になっている状態。

IT部門側の効果としては、Notesで課題だった、機能やデータのサイロ化からの脱却があります。また、salesforceは、ITヘルプデスク、申請窓口、顧客管理などの機能が標準で備えられているため、カスタマイズしたり、管理の手間が大幅に削減され、保守・運用も簡素化されました。今後も、グループ社員の方々のご要望に耳を傾け、機能をブラッシュアップし、より使いやすい情報基盤に進化させていくことが重要と考えています。

Q2. Ostiの特徴を教えてください。

クラウド型プラットホーム

Ostiは、ラテン語で入り口を表す「ostium」からとった名称で、Osti の4文字は、発想・アイデア重視の課題解決型会議手法である「Open Space Technology」のOSTに、「Information」の頭文字Iを足した造語です。トップ画面にはメールや掲示板、チャット、ファイル共有などの基本機能に加え、多彩な業務アプリ一覧などのアイコンが配置されています。Ostiを立ち上げるだけで、誰でもわかりやすく仕事に入っていけるよう設計されており、まさに業務の入り口となっています。

Ostiのプラットフォームには、世界で多くのユーザーに支持される「Salesforce」(※2)を使い、メールソフトの「Outlook」ほか、Web会議ソフトの「Zoom(ズーム)」や、「勤怠管理ソフトの「LYSITEA (リシテア)」、経費精算ソフトの「楽楽精算」、業務アプリ構築サービスの「kintone (キントーン)」など、コミュニケーション系と、ビジネス系からなる様々なクラウド型の使いやすいアプリを統合しています。

トップ画面は、ポータルサイトとしてユーザビリティに優れたデザインになっています。メニューにも、ユーザーが使いやすい、業務を効率化する工夫が施されています。たとえば、様々な業務アプリの利用申請をIT利用申請ボタンから手軽に申請できたり、複数アプリにまたがる検索機能も追加されました。また、トップ画面に未処理の稟議書類や承認待ちの未処理一覧を設け、一目で各自の業務の進捗確認ができるようになるなど、利便性が向上しています。

※2 Salesforce

(株)セールスフォース・ドットコム社が提供するクラウド型の営業支援(SFA:Sales Force Automation)ツール。

Q3. Ostiの導入効果はどのようなことでしょうか?

利便性の向上と、保守運用の簡素化

OstiはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末からもアクセスできます。このため、営業先や自宅で、仕事の予定や資料を確認したり上長の承認を得るなども、時間と場所を問わず行うことができ、テレワークなど多様な働き方に対応しています。また、大陽日酸の海外事業拡大の中で、英語や中国語など多言語に対応したシステムによって、グローバルコミュニケーションは一段と円滑に運ぶようになりました。

IT部門側の効果としては、Notesで課題だった、機能やデータのサイロ化からの脱却があります。また、salesforceは、ITヘルプデスク、申請窓口、顧客管理などの機能が標準で備えられているため、カスタマイズしたり、管理の手間が大幅に削減され、保守・運用も簡素化されました。今後も、グループ社員の方々のご要望に耳を傾け、機能をブラッシュアップし、より使いやすい情報基盤に進化させていくことが重要と考えています。

COLUMN

お客さまの声 ── 選ばれる理由

※TNSSが2020年9月、大陽日酸グループ各社に対して実施した「顧客満足度アンケート調査」の回答よりご紹介致します。

  • Q1.Ostiについて、どのような印象をお持ちでしょうか?

    在宅勤務でも会社にいるときと同じ環境が使えますし、外出時にはモバイル端末で業務データを確認できるなど、格段に利便性が良くなりました。業務効率も上がりも、快適です」(30代・男性)

  • Q2.Ostiを使ってみて、気にある点はいかがですか?

    「Ostiになり大変便利になりましたが、私には機能が多く、またITにあまり詳しくないこともあり、使い方がわからない部分もあります。私のようなユーザーにも、もう少し使いやすいシステムにしていただいたり、システムの説明機会の場が定期的にあると嬉しいです」(30代・女性)